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2009/11/23

映画:沈まぬ太陽

映画:沈まぬ太陽見てきました。

山崎豊子は好きな作家なので期待はしていきました。
以下、ネタバレ有りなので・・・
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休憩付、3時間超の大作だけど、ハッキリ言って駄作との印象。
カドカワ映画にありがちな、金とスケールはものすごくかけたけど・・・なパターンですね、残念ながら。

原作があって(しかもその原作もノンフィクション的ドキュメンタリーのような構成でありながら、でもあくまでフィクションであるという微妙な性格の)、その映画化って難しいのは分かるのですが、この作品はそのギャップと言うより映画としてどうかと。元々文庫5冊の大作を映像化する場合、シーンの取捨選択が作品のできばえに一番左右されるのでしょうけど、漫然と全てを描こうとした結果、尺だけがやたらに長くなっただけで、メリハリが効いていない、感情に訴えてこない感がありました。なんというか感情移入したいシーンは逆に短くまとめられてしまったり。

しかもその割に話の本筋じゃない、要らないなと思うような場面(家族との関係はこの際大幅にカットしてしまった方が良かったのではないかな)がやたらあったのも気になりますし、キャストもやたら登場人物が多くて、誰が誰だか訳わからず、2時間ドラマの主役勢揃いといった印象だけが残っています。

あと、お金をかけた割に驚くほど、例えば飛行機のCGなんかがリアリティーに欠けているのも残念。飛行機好きだからそう言うところだけ見てしまうのかもしれませんが、飛行機の動きに全くリアルさが無いのです。ちょっと浮上したくらいの高さなのにあり得ないくらいの角度で旋回していくとか、頭上を飛ぶ飛行機の大きさのスケールが滅茶苦茶だったり。飛行機好きはがっかりすることを保証しますね。空港はどこか見たことある感じがすると思ったらドンムアンでした。見たことある光景なのはバスで延々連れて行かれるときに見る角度からだったみたいですね。

と、散々けなしてしまいましたが、映画(というか映像化)ならではの効果もあったのも事実。例えばスチュワーデスの制服なんかあのときのあの制服をイメージして作られているのですが、これなんかは活字で読んでいると想像できないものでリアル感が増しますね。棺が安置されているところで身元確認するなど、事故の後のシーンまではなかなか良く描写されていて感動してしまった位です。というかこの作品の見るべき所は冒頭の30分で終わりかな?(と結局けなしてしまう・・・)

映画を見終わって、JALに乗りたく無くなる人が出てくるかもしれませんけど、私は逆に気の毒になってしまう感じもしましたね。執筆された当時なら主人公のような人間は作品に描かれたとおりのヒーローだったかもしれないけど、今の価値観からみたら、使えない奴という以外ないし、首相フライトにストを持ってくるような組合なら、当然分断されたり報復人事にあって当然の気がするし、年金だって当然減額されるべきと思ったりして。そしてナショナルフラッグキャリアというくびきから完全に逃れ切れていない現状・・・


JALの場合民営化されても当時の性格を引きずったままというか脱皮できないところに責任が有ると思いますけど少なくとも私は気の毒に思ってしまっています。(でも私自身は出来ればJALのマイルはあまりため込みたくなかったりして)


山崎豊子の作品は今ドラマでやっている「不毛地帯」にせよ「白い巨塔」「大地の子」「華麗なる一族」「二つの祖国」(昔のNHK大河ドラマ山河燃ゆ)とドラマ化されているけど、やはり原作を小説で読むのが一番いいですね。小説を映像化するとどれもそうなんだろうけど・・・

あと長編小説だからやはり連続ドラマで何時間もかければ良いですけど、3時間ちょっとの映画にまとめるのは無理かと。特にどろどろしたやりとりが長く続くことが多いので。

ドラマの中では「白い巨塔」の出来が一番だと思います。スピード感(盛り上げる音楽も良かったね)もさることながら、原作を下敷きにして今の社会の出来事に書き起こしたのが成功した要因だったのでしょうね。過去の歴史のママの設定の「不毛地帯」「華麗なる一族」はなんか遠い世界のように感じるし、嘘っぽく見えてしまいます。脚本家が一から書き直すという作業を怠らないことが大事なのかもしれませんね。

あ、NHKが作った「山河燃ゆ」「大地の子」はさすが良くできているとは思います。が、仲代達矢の中国語に対して「松本さんの中国語は東北訛りですね」とは無いだろう(笑)。山河燃ゆはマンザナール収容所のエピソードに興味があったり、たまたまオープニングロールの時流れる道を通ったことがあったりで思い入れが深いです。テーマ音楽も良いですね。


なんか沈まぬ太陽から山崎豊子ドラマ論になってしまいましたが、「不毛地帯」の宣伝コピーに「白い巨塔から6年」とあってため息をついてしまいました。あれからもう6年もたったのというか、あれ6年前の話というか・・・光陰矢の如しそれだけ無駄に歳を食ってしまった自分にびっくり。

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